ジャズ喫茶&吾妻光良さんライヴ


先日、友人のKさんと一緒にジャズ喫茶に行ってきた。
高田馬場駅から歩いて5分程のところにある「MILESTONE」というお店だ。

友人のジャズ・コンサートには何回か足を運んだことがあるが、
「ジャズ喫茶」なる場所へ行くのは初めてだった。
入ったとたんモダンな4ビートの音楽が聴こえてきて、
落ち着いた雰囲気が漂っている。
壁には年季の入った アルバムがギッシリと並べられていて、
ジャズに関する本もたくさん置いてあった。

「ワ〜、これがジャズ喫茶?何だかいい感じ・・・」
とおのぼりさん状態でコーヒーを頼む。
通なKさんはとなりで苦笑していた。
ゆったりとした気分でおいしいコーヒーを味わい、
クラシックなスピーカーからは、心地よい音楽が流れる。
・・・至福の時だ。

Kさんいわく、
「ここは話したりできるけど、高校時代よく行っていたジャズ喫茶は暗くて、
みんな腕組みしながらジッと聴いている感じだったよ。」
きっとマスターの人柄も反映されるのだろう。
「MILESTONE」では自由に会話ができるムードがあり、
流れている曲も前衛的ではなく聴きやすかった。

棚にある「ジャコ・パストリアス」と題された本を取って開いてみた。
ジャズに疎い私でも、この偉大なベーシストの名前は知っている。
35歳で夭折した天才ベーシスト、ジャコ・パストリアス。
これを機会にジャコを真剣に聴いてみようと思い、
Kさんにお薦めのアルバムを尋ねてみた。
「好きなのは『ジャコ・パストリアスの肖像』と『8:30』かな?」
本で紹介されているアルバムを見ているうちに、
Kさんはこれもいい、あれもいいとおっしゃって、たくさん薦めてくださった。

ジャコの性格は、「天衣無縫」「豪放磊落」「泰然自若」と書いてある。
楽器のプレイには、その人の持つ隠し切れない性格が出てしまう。
歌に関しても同じことが言える。
ジャコのCDを早く手にしたいと思った。

「MILESTONE」を出た後、学生時代に度々行った「鳥やす」へ行き、
その後中野にあるライヴ・ハウス「Bright Brown」に移動した。
ついこの間、菊田さんのライヴでこのお店に来たばかり。
Kさんはこちらのマスターとも顔見知りで、常連さんらしい。

この日は吾妻光良さんのライヴがあった。
吾妻さんの歌とギターを初めて聴いたのは学生の時で、
場所は高円寺にある「JIROKICHI」というライヴ・ハウス。

もうあれからずい分時が経ってしまったが、
あのブルース・ギターをもう一度聴けるのかと思うと嬉しい気持ちで一杯になった。
演奏が始まったのは20:45分頃で、ギターは黒のセミアコ。
立ち見の人が何人もいて、皆、吾妻さんの歌とギターに酔いしれた。
豪快かつエモーショナルなギター・フレーズが大好きだ。
右手のストロークも力強く、身体全体でかきならす感じ。

吾妻さんのMCも楽しく、歌詞を日本語に訳して読み上げてくださる。
一番印象に残っている曲はインクスポッツの曲で、「俺達3人」。
「俺達3人皆孤独。記憶の中に生きている。
俺のコダマ。俺のカゲ。そしてこの俺・・・・・」
何とも寂しげな曲・・・としみじみしてしまう。
この曲は歌と歌の合間に語りが入る。
インクスポッツの曲は語りが入ることが多い。
「それはなぜでしょう?」と吾妻さんはベースの方に尋ねていた。

23時半近く、ライヴはお開きとなったらしい。
私は遠方から来ているので、やむなく中座させていただいた。
この瞬間が一番辛い。
最後まで熱い演奏を聴きたかった、という想いを残して
お店を後にした。

<04・4・7>
MILESTONE